【飲食店 内装】居酒屋の内装工事における基礎知識
居酒屋の内装工事について

居酒屋を開業する場合、基本的には内装工事が必要になります。他の飲食店にもいえることですが、具体的にどのような工事が必要なのか把握しておきましょう。依頼した施工業者によって取り組み方は異なりますが、一般的に実施される工事内容は決まっています。最初に行われるのは、仮設の工事と呼ばれるものでメインの作業を行うための前準備という位置づけです。
養生シートを使って建物が傷まないようにガードします。これには汚れ対策の意味もあるので疎かにしてはいけません。それが終わったら軽鉄工事に取り掛かります。これはフレームの設置が目的であり、パーティションなども段階で設けることが多いです。
それから大工工事というステップに入っていきます。床や壁をはじめとして、階段や窓といった主要な部分を仕上げる作業です。これが終わったら漆喰を塗るような左官工事を行って、内装のクオリティを高めていきます。
ここまで終わったら水回りや電機関連の整備をして終わりです。水を多用する仕事なので、特に水道管については念入りにチェックしなければなりません。水漏れが起こらないように、この時点で防水工事も行っておきたいところです。
先手を打つ意識を持っておくことがポイントになります。いったん水の被害が生じてからだと、内装の取り替えなどが必要になり、大きなコストがかかるからです。オーナーがこれらの詳細を理解する必要はありませんが、工事の種類や流れに関しては正しく把握しておきましょう。
居酒屋の内装工事にかかる費用はどのくらい?

内装工事に必要な費用も早めに確認しておきましょう。普通の飲食店と同じですが、店主がこだわるポイントの多さによって、金額は大きく変動することになります。そのため、見積もりをとってみないと金額は分からないのが実情ですが、業界における大まかな目安は存在します。一坪あたり30万円ほどとなっているので、それに延べ床面積をかけてみてください。
たとえば20坪の居酒屋なら60万円になり、40坪の居酒屋なら120万円になります。このように延べ床面積によって大きく変わる点に気を付けてください。あまり広くない店舗なら100万円ほど見ておくと良いでしょう。ただし、初期状態に左右されることも忘れてはいけません。すでに内装が整っている物件を選択した場合、上記の金額の半分以下で済むことも十分にありえます。
それに対して壁や天井が崩壊しているような物件では、目安より高くなることも珍しくありません。いったん撤去する必要も生じるため、そのコストのせいで2倍ほどに跳ね上がることもあるのです。いずれにせよ大きな支出になる可能性が高いので、資金を用意するためのアクションを早めにとりましょう。
開業前に自己資金が不足する事態はよくある話なので焦る必要ありません。事業計画書を作成して金融機関に融資を申し込むのが定番の方法です。なお、厨房設備だけを切り分けて考えるのは難しいので、内装の一部としてカウントしたほうが分かりやすくなります。
人気の居酒屋の内装デザインの特徴とは?

自分の居酒屋をヒットさせたければ、集客力を高める内装を採用する必要があります。他の飲食店も参考にしながら、どのようなデザインが良いのかよく考えてください。大事なポイントになるのは、男性だけをターゲットにしないことです。
昔は仕事帰りの男性が主な顧客でしたが、時代はすでに大きく変わっています。社会で活躍する女性が一気に増え、男性と変わらないほど働くケースも多くなっています。つまり、どちらの性別にも好感を抱いてもらえる店を目指さなければなりません。
とはいえは、どちらにも人気があるデザインを生み出すのは、これから開業する人にとって難しいことです。そこでヒントになるのは、男女のどちらにもよく使われている飲食店を思い浮かべることです。たとえば、カフェだと女性寄りですし、ラーメン店だと男性寄りという印象が強いでしょう。客の男女の比率が居酒屋と近いものとしてファミリーレストランが挙げられます。
そう言われても具体的に思い出せない人も多いでしょう。あまり主張が強い内装ではないので当然かもしれません。あえて目立たないようにして、客の意識が逸れすぎないように配慮しています。一緒に来た人との会話に集中しやすいようにするに工夫です。
一方、居酒屋も基本的には同僚や友人と楽しむための場所です。そのため、わざわざ内装に存在感を持たせる必要はありません。リラックスしやすいように暖色系に統一することなどを意識するだけで十分です。
居酒屋の内装工事の前にコンセプトを決めよう

内装工事に着手する前に、飲食店としてのコンセプトを明確にしなければなりません。繁盛している店というだけでは、実現までのフローが少しも見てこないからです。それどころか客にとっても店のイメージが固まらず、印象の薄い場所として忘れられてしまう可能性があります。最初にどれくらいの集客を希望するのか考えましょう。1日あたりの10人の店と200人の店とでは、用意すべき店内環境は大きく異なります。それを決めたら、必要な座席の数を計算するステップに移ります。
200人を希望しているのに席が5つしかないと、最低でも40回の入れ替えが必要になってしまいます。このため、希望の人数と席数はセットにして検討しなければなりません。この例だと最低でも10席はあったほうが良いでしょう。もちろん、メニューについても十分に考えることが不可欠です。
近年は居酒屋といえでも、高品質な料理が求められるようになっています。ボリュームを重視する店もあれば、オーガニックに主体を置いている店もあります。これらが入り混じっていたほうが、多くの人に利用してもらいやすいと思う店主もいるでしょう。
しかし、前述のように店のカラーが曖昧になるので、居酒屋を選ぶときの候補に入りにくくなります。したがって、基本的には料理の特色は一つに絞るのが正解です。また、営業時間も売上にかかわる大きな要素です。仕事帰りに寄ってもらう方針なら、遅くとても18時頃にはオープンさせる必要があります。
居酒屋の内装工事業者を選ぶポイント

コンセプトを決めたからといって、そのとおりの内装工事が行われるとは限りません。できるだけ自分の意図をくみ取ってくれる工事業者を探すことがポイントになります。飲食店を手掛けた実績の多さが大切な判断基準になりますが、それ以外にもポイントはたくさんあります。たとえば、工事を一括で担当してもらえることもその一つです。
分割でしか請け負わないところは、契約のたびに手数料が必要になります。しかも、そのたびに契約書を交わすので完成まで時間がかかりやすいです。したがって、一貫して工事を進めてくれるところに依頼したほうが良いでしょう。
さらに、見積書に明細を付けてくれることも条件の一つです。大まかな見積もりだけでは、何にどれだけの資金を費やすのか分かりません。どんぶり勘定で済まされており、結果的に損をしている可能性があります。
そのような事態を避けるには、各作業や部品ごとの金額が分かる明細が必須です。本当に飲食店を手掛けた実績が豊富なら、明細つきのフォーマットを持っています。要求しても渋るようなら、その時点で他の工事業者に切り替えたほうが安心です。アフターフォローが万全たることも重要なポイントです。
開業してから不備が見つかったら、すぐに修繕してもらわなければなりません。対応が遅れていると休業せざるを得ない場合もあるのです。素晴らしいスタートダッシュを切るためにも、迅速なアフターフォローを行ってくれる工事業者を選ぶことがポイントになります。